合格する学習方法

 

    以下は、iCS石川東大塾の塾長夫婦が、我が子3人を国立大学医学部医学科へ進学させる過程で常に説いていた学習方法の要諦である。これらが実践できれば、君も東大、京大、国立大学医学部医学科等の難関大合格も夢ではない。

 早速、今日から実践しよう。

 

1 基本問題を完璧に

 一般に大学2次試験の問題は、基本問題、応用問題及び発展問題からなる。ここで「基本問題」とは教科書レベルが理解できていれば解ける問題、「応用問題」とは教科書レベルの理解をベースに適切に頭を回転させれば解ける問題、「発展問題」とは高度に頭を回転させないと解けない問題と考えほしい。このうち、合否ラインを決定するのは、どれだろう。発展問題だろうか。応用問題だろうか。否、正解は、基本問題なのだ。

  なぜなら、一般に出題者は、基本問題を約40%、応用問題を約40%及び発展問題を約20%の割合で出題する。東大や京大、国公立大医学部医学科等の難関校の場合、2次試験の合否ラインは、6割が取れるかどうかだ。これからわかるように、基本問題が完璧に解けて応用問題の半分が解ければ、難関校の合格も可能なのだ。発展問題に取り組むのは時間の無駄である。

  ましてセンター試験の問題は、100%基本問題である。超難関とされる国公立大医学部医学科でもセンター試験の9割取れればよいし、難関校以外の大学なら7割から7割5分、すなわち基本問題の4題中3題が解ける力があれば十分合格できるのである(学部学科によれば合格最低ラインが6割の国公立大すらある)。逆にいえば、基本問題が完璧に解ける受験生がいかに少ないかがわかるであろう。

 何より基本問題を完璧に解けるようになろう。例えて言えば、青チャートにチャレンジして挫折して自信を失う代わりに、黄チャートを完璧に解けるレベルを目指そう。


 2  教科書を完全にマスターしよう

 一般に受験生は、教科書を軽視して、分厚い参考書に走りがちだ。「教科書は平易すぎてつまらない」、「参考書の難しい問題にトライする方が力がつく」と思ってしまう。しかし、これは誤りだ。教科書を完全にマスターしていない生徒が、参考書の難しい問題に手を出しても自分の力では解けない。参考書の模範解答を見て、解けたと錯覚しているだけである。教科書は、生徒が問題を順を追って理解することができるよう、コンパクトにうまく書かれている。教科書を、1行1行きちんと読み込もう。高校受験でいえば、例えば、2次方程式の解の公式を振り回すことより、解の公式を導き出す過程こそを大事にしよう。

 

3  間違えるのには、必ず理由がある。より前の段階の間違いに気付こう

 多くの受験生は模擬テストが返却されて気がつくことがあるだう。それは、いつも同じ種類の問題の同じ箇所で間違えてしまっていることだ。そこがすなわち君の弱点箇所ということだ。そして、これには理由がある。その結論に至った前の段階のどこかに必ず間違いがあるはずだ。したがって、ここを解決すれば、もう間違えることはなくなる。模試で間違えた箇所を見直すときは、必ずその推論のもうひとつ前の段階を見直す習慣をつけよう。また、自分の推論の誤りに気がつくように、普段から自分の解いた過程は必ずそのまま残す癖をつけよう。消しゴムは使ってはいけない。

 

4  数学の計算は手で、検算は目でやるもの。頭は解法を考えるために使おう
 数学においては計算ミスは致命傷だ。微分積分問題ですら、計算問題は突き詰めれば所詮一桁の四則演算なのだから、小学校の算数でたたき込まれたとおりにやれば、いちいち頭を使わなくても計算はできるはずだ。頭を計算に使おうとするから計算ミスをしてしまうのである。頭は計算ではなく解法を考えるために使わなければならない。普段から、計算は手でやり、検算は目でやり、頭は解法を考えるために使うようにしよう。

 

5  英語は何より構文を完璧に。そして時と数を意識しよう

  当たり前だが、英語は日本語ではない。何が決定的に違うのかといえば、語順である。日本語は述語が文の最後にくる世界でも少数派の言語であるが、英語は主語の後にすぐ述語がくる世界の主流の言語である。このことが、我々日本人の英語に対する潜在的苦手意識の元になっている。英語が苦手という受験生のほとんどは、構文が理解できていない。構文がわからないから長文問題がチンプンカンプンになり、ますます英語嫌いになってしまう。「受験に合格するためには英単語を覚えなければ」とあせっている受験生もいるだろうが、入試問題で使われる英単語はたかが知れている。入試英語の合否の鍵は、構文への理解が握っている。

 英文を読むときは、常に構文を意識して読むようにしよう。その際には、特に動詞とその意味上の主語の関係を常に注意しながら読もう。複雑な文になると、一文の中に動詞がいくつも出てくることがあるが、それぞれの動詞には、必ず意味上の主語が対応しているから、それを落とさないことが大切だ。以上によって、構文を完璧にマスターすれば、大学合格は目の前だ。

 あと、契約を重視する狩猟民族の特性から来るものだろうが、日本語と異なり、英語は「時(時制)」と「数(単複と可算不可算)」にうるさい言語であることを意識しよう。

 以上を注意すれば、英語の問題が解けるようになり、得意な科目になる。