定期テストは何とかなるが実力テストはさっぱりな君へ

            -過去問丸覚えは麻薬みたいなもの-

  中間テストや期末テストは何とか解けるが、いざ実力テストや外模試となるとさっぱり解けないという生徒からの問合せがよくある。試しに体験授業をやってみると、知っている問題は物凄い勢いで書きなぐるが、知らない問題になるとピタッと筆が止まり、ただ茫然としている。さり気なく聞いてみると、決まって地元の有名塾に通っていると言う。要するに、普段から馬に食わすほどの定期テストの過去問を与えられて解答を覚えることを勧められているから、定期テストは何とかなっているが、既存の知識を使って自分の頭で考えて解答をひねり出すことをやっていないから、実力テストや外模試でちょっとひねられた問題に出くわすと、もう手も足も出ないのである。

 まあ、私立大学の指定校推薦は勿論のこと、最近では国公立大医学部の地域枠×推薦もあるくらいだから、ひょっとしたら定期テストの過去問を丸覚えして内申点を稼いで推薦でというのは、楽して大学へ行くための高度な裏ワザなのかも知れないが、楽していい思いをしようとすると大きな落とし穴がある。過去問丸覚え勉強などというのは一種の麻薬みたいなもので、一度いい思いをするとやめるにやめられなくなってしまう。やがては、知らず知らずのうちに本来持っているはずの思考力を奪われていき、肝心な一般入試に対応できる学力はつかないままになってしまうのである。そもそもが、過去問丸覚えであわよくば楽して推薦で大学へ行こうなどというスケベ根性の生徒は、大体において望み通りの推薦であほ私立大学で行くしかなくなるのである。

  当塾は一般入試で正々堂々と国公立大学に合格することを勧めているので、普段から時間がかかろうと自分の頭で考えて答えを導き出すよう指導している。定期テスト対策においてもじっくり問題を考えさせるようにしており、過去問を丸覚えさせるような指導はしていない。人生で一番記憶力が良い時期である10代の子供にとって過去問を丸覚えすることは、さほど難しいことではない。今まで解いたことのない問題を前に、持っている知識をフル動員して考えることの方が何倍も大変なのである。一日中考えても解けないこともよくある。しかし、自分の頭で考える習慣を身に付けることで徐々に賢くなっていき、一般入試に対応できる学力がついてくるのである。保護者は、我が子に本当の学力を付けさせたいなら、過去問を丸覚えさせて子供の思考力を奪うような塾に通わせるべきではないのである。

  人間、一生に一度位は他のすべてを犠牲にして勉強に打ち込む時期があるべきである。子供を甘やかせて育てて良いことは一つもない。一発勝負で高校3年間の勉強の成果が試される一般入試こそ、人間を精神的に鍛える一番よい機会なのである。それを乗り越えてきた者とそうでない者では、後々の人生で必ず出くわすことになる修羅場でのパワーに大きな違いが出るのである。

 実際、国立大医学部を卒業して既に医者として活躍している筆者の3人娘の一人によれば、推薦合格の一番の成功例である国立大医学部医学科の場合ですら、一般入試を経ないで推薦合格で入学してきた者は、やはり何かが欠けていることが多く、大学での勉学を進めていく中で同僚学生に実は推薦合格だったことがばれ、やっぱりなあという目で見られるというのである(中には、推薦で医学部に入ったものの、大学医学部での膨大な量の勉強についていけず、結局医師国家試験に合格できないまま消えていく者も結構多いらしく、現に中国地方のある国立大医学部ではこのことが問題化しているという。)。それはそうだろう。推薦合格者は、失敗したらそれまでの努力が水の泡になる恐怖と戦いながらセンター試験本番で9割以上をとるほどの学力を求められる医学部医学科の一般入試を受けていないのだから。

  というわけで、(例の仏壇仏具の宣伝調で)定期テストは何とかなるが実力テストはさっぱりな君は、iCS石川東大塾へ是非どうぞ~♪(笑)

過去問を 覚えてばっちり あほ大へ

 2016.12.01