信じる者は救われる?

                 ー 正しい塾の選び方① ―

 

 保護者の皆さんは日頃子供の塾をどうすべきか悩むことが多いかと思います。ここでは塾を選ぶ際に注意すべき事項について考えてみましょう。

 

①まず、何より忘れてはならないことは、勉強は一人で孤独にするものだということです。塾からは「うちへ来れば成績があがりますよ。」と言われるでしょうが、そのような営業トークを信じてはいけません。あくまで塾が提供できるのは生徒の勉強の補佐だけです。すべては生徒自身の努力次第なのです。このことを忘れて塾にすがるのは、自分で考えるのをやめて自らの人生を怪しい宗教に預けるようなものです。信じている間は幸せですが、目が覚めてみると・・・悲惨な結果が待ち受けているのです。 こちら こちらこちらを参照

 

 ②その上で、まず、塾の「合格実績」なるものに惑わされてはいけません。ほとんどの「合格実績」」なるものは、偽りか少なくとも誇大なものと考えるべきです。なぜなら、その塾以外誰もその信ぴょう性を確認できないからです。仮に、「合格実績」として掲げられている内容に偽りや誇大がないとしても、その持つ意味は、「過去に」そのような生徒がたまたま「在籍していた」ということだけですあり、必ずしもその塾のお陰で合格したということを意味しているのではないのです。しかも、「在籍していた」というのが曲者です。いわゆる本科生ではなく、季節講習を受けただけかもしれないし、極端な場合模擬試験を受けただけかも知れません。本科生だったとしても、どの科目をどれくらいの期間受講したのか分かりません。しかも、「合格実績」の母数が肝心です。仮に国立大学に1人合格したとしても受験生10人のうちなのか100人のうちなのかで、まったく意味が違うことはお分かり頂けるでしょう。要するに、塾の「合格実績」なるものを信じて入塾しても、自分が志望校に合格する保証などどこにもないということです。こちらを参照

 また、定期テストや模擬テストでの「塾生の平均点が全体の平均点と比べていかに高いか」を宣伝している塾もよく見かけますが、これも眉唾ものです。入塾テストを行って高得点者だけに入塾を認めることでもしない限り、塾生の平均点が全体の平均点と比べて飛びぬけて高いなどということは、普通ではありえないことです。個々の塾生の成績はプライバシーを理由にしてオープンしないにもかかわらず、当塾の生徒の平均点は全体の平均点と比べてずっと高いですよなどという、事実かどうか保護者が確認しようもない嘘の宣伝文句を信じて入塾してもあなたのお子さんの成績が上がる保証などどこにもないのです。このような保護者を欺くような宣伝をして恥じない塾は危険です。

 そもそも、「合格実績」にしても「塾生の平均点の高さ」にしても、「他人の眉唾ものの過去」に自分の未来を委ねてはいけません。自分の未来は、「自分自身の過去と現在」をよく見て考え、自分で切り開くものです。 こちらを参照

 

 ③さらに、塾の講師について、出身大学を始めとした経歴を明らかにしていない塾は避けるべきです。そもそも学校の教師と異なり、塾の先生になるのには何の資格も必要ありません。大卒であることすら必要ないのです。保護者は、安くない授業料を払ってそのような先生に自分の子供を週に何時間か預けるわけですから、よほど自分で吟味しなければなりません。ところが、ほとんどの塾は、担当講師の学歴等の経歴についてオープンにしていませ。ん。これはもちろんオープンにできる学歴を持った講師がいないからなのです。とすれば、自分の子供の担当講師の出身大学はどこなのか、自分の子供を目指す大学へ導く力がその講師にあるのか、自分の子供を託すに足る人物なのかどうか、保護者の方から塾へ確認するべきです。担当講師の学歴等を保護者に教えようとしない塾は、心にやましいところがあるのです。こういう塾は避けましょう。もし、塾の方からエセ「合格実績」やエセ「塾生の平均点の高さ」を理由に入塾を勧められたら、逆に尋ねましょう。「ところで、先生はどちらの大学のご出身なのですか?」と。きっと、相手は口ごもるでしょう。どうでもいいことには雄弁なくせに保護者が本当に聞きたいことに対しては寡黙なのが、このような怪しい塾の特徴です。 こちらこちらこちらを参照

 

 ④保護者の授業参観に消極的な塾も要注意です。費用負担者である保護者に授業を見せたがらないのは、見せる自信がないからです。所詮、子供さんは判断力の不十分な未成年者です。面白い(funnyではあるが interestingではない)ことを言って笑わせていれば楽しい塾だと喜んで通うかも知れませんが、何ら学力の向上にはつながらないただの時間とお金の無駄使いなのです。保護者自身が授業を参観しましょう。保護者の授業参観に消極的な塾はやめましょう。

 

 ⑤精神論ばかり説く塾もお勧めできません。自らの教務力に自信のない塾に限って、受験の厳しさを上から目線で喧伝するものです。危機感をあおることで、生徒や保護者の正常な判断力を失わせ、盲目的に入塾させるためなのです。以前筆者が東京で子育てしていた頃、生徒に鉢巻させてエイエイオーさせている塾をテレビで見たことがありますが、正直ちょっと引きましたね。ただでさえ子供も親も熱くなりやすい受験勉強なのに、一番冷静でいるべき塾が精神論であおるのはもってのほかです。 精神論で大学入試が突破できるなら誰もこんなに苦労しません。 こちらを参照

 

 ⑥塾から「地方に居ながらにして東京の有名予備校の授業が受けられますよ」等と映像授業の受講を勧められたら、なぜ塾が映像授業を勧めてくるのかをよく考えましょう。映像授業を勧めるということは、とりもなおさず特に高校生の場合にはその塾に大学入試を直接指導できる講師がいないということを示しているのです。それに加えて、何より塾側にとっては映像授業のコストが非常に低く、利益が非常に大きいということがあります。例えば、90分の授業1回をビデオに撮って110円のDVDに焼き増しすれば、13000円で売れるのです。実際は1講座10回として30,000円、これを何講座も勧めてくるのです。このようなおいしい商売はなかなかありません。中には、基本コースに加え夏冬講習だの志望校別特別講習だのと、映像授業だけで年間100万円以上払わせる塾もあるとか。昔、1粒で2度おいしいと宣伝していた菓子メーカーがありましたが、塾側にとって1粒で2度どころではなく、何十倍も何百倍もおいしいのが映像授業なのです。映像授業を勧めてくる塾は、自ら、「当塾には大学入試を指導できる者はいませんが、子供さんが居眠りできる空間があります。ゆっくりお休みください。」といっているようなものなのです。居眠り代にしては高すぎると思うのですが、情けないことにこのような営業トークにまんまと引っかかる保護者が多いのが実態です。 こちらを参照

 

 ⑦「我が塾は過去問対策バッチリ」などど宣伝して、馬に食わせる程の多量の過去問を生徒に与えて、生徒の思考力を奪ってしまう塾へ子供を通わせるのは危険です。保護者の皆さんは当面の試験で子供の成績が上がることを期待して、このような塾に飛びついてしまいますが、本当の入試を熟知している筆者からすれば、一番やってはならない行為です。このような塾に通い過去問を与えられることに喜びを感じるようになると、自分の頭で問題を考えて解くという思考力が徐々に失われていき、いざ入試になってそれまでに見たことのない問題を前にすると何をどうしてらいいのかさっぱりわからない思考停止の状態に陥ってしまうのです。思考力は、基本的な問題をこつこつと自分の頭で考えて解いていくことから付いてくるものです。個人差はありますが、いずれにしても成果が出るにはそれなりの時間がかかるものです。それなのに、目先の成績アップを期待して過去問対策を売りにしている塾に我が子を通わせるのは、わざわざ大枚はたいて我が子をあほにしているようなものなのです。我が子を塾に通わせるなら、ちゃんとした講師がいて、子供の思考力を養成してくれる塾に通わせましょう。

 こちらこちらを参照