英語を甘く見てはいけない

 当塾では中高生に英語と数学を指導していますが、最近の入塾希望者に多いのは、とりあえず数学を何とかしたいというケース。あれっ、英語は大丈夫?

 生徒だけでなく保護者の方も勘違いをされている可能性があるのですが、英語を甘く見ていると後になって大変なことになります。

 大学受験では大きく文系と理系に分かれますが、数学が出来なければ最後は数学を捨てて私立文転することができますが、英語を捨てたら行けるところはありません。もちろん入学金を納めて名前を書けば合格できる大学は沢山ありますが、はっきり言ってそのような大学なら行かないほうがましです。4年後の就職に当たって何ら有利にならないだけでなく、年を食っているだけかえって不利になります。私立文系といっても一応名の通った大学(親の世代が名前を聞いてわかる大学)に行こうとするなら、英語は必須の科目です。英語を捨てては名前を聞いてわかる大学へはいけないのです。

 もちろん、今後とも日本の社会で生きていく上で英語は全くといってよいほど、不要でしょう。生活していくだけなら英語など勉強しなくても何ら困ることはないのです。だから今流行の英会話学校など日本で生きていく限り全く無意味なのです。なのになぜ、入試の世界では英語を必修にしているのか。おそらく英語教育関係者を始めとした英語産業の利益ためでしょうが、良い悪いは別として、現実に大学受験の科目として英語を避けて通ることはできなのです。

 数学もそうですが、英語は積上げの科目です。中1から中2、中2から中3、そして高校英語と、基礎から少しずつ知識を積み上げていくしかありません。まさに一朝一夕には成らない科目なのです。特に、筆者の受験時代と異なり、今は中学英語で学ぶ範囲が非常に限られており(関係代名詞止まり)、昔は中学校で学んでいた範囲の多く(関係副詞、話法、as if、知覚・使役動詞等)が高校送りとなっています。中学校の英語でわかったつもりになっていたら、高校に入ったとたんに英語がわからなくなり(中学で話法やas if をやらないために、特に時制の感覚が身に付かない→長文読解ができない。)、気がつくと私立文系と言えども行く大学(大学という名前だけで良ければいくらでもありますが。)がなくなってしまうのです。

 ましてや、中学英語の段階でつまづいていては、何年か先の大学受験では本当に辛いことになります。親の世代が何度聞いても覚えられない名前の大学へお金で入ることしかできなくなるのです。

 例えて言えば、仮定法のわからない高校生の君は十分イエローカード、英語の語順の怪しい中学生の君はほとんどレッドカードです。

 このようなことにならないよう、英語を甘く見ないでしっかり勉強しよう。嫌でもね。

2014.3.12