高校入試合格大作戦

 

1 香川県における高校入試の現状  
 香川県は伝統的に公立高校重視の傾向があり、受験生の中でも、一部を除いて、「私立は公立の滑り止め」という意識が強い。このことは、「公立高校全員合格!」が学習塾の売り文句になっていることからもわかる。そこで、ここでも、公立高校の入試合格大作戦について述べる。

(1)受験者数と受験倍率 
 2021年(令和3年)における香川県の公立高校30校の一般入試は、入学定員5,936から自己推薦入試合格者等を除いた一般入試定員4,899 人に対し最終受検者数が5,522人で、最終倍率は1.13倍であった。香川県では県内の15才人口の増減に伴う高校の入学定員の調整は、私立高校ではなく公立高校の側において行うことが慣例となっているため、一般入試の最終倍率は、今後とも1.2倍程度で推移するとみられる。

(2)合否判定の基準
 香川県の公立高校の一般入試の合否判定は、「学力検査」と「調査書(いわゆる内申書)」の総合判定によって行われる。①「学力検査」は、英数国理社5教科各50点の計250点満点、②「調査書」は、中1と中2では、それぞれ英数国理社と音体技美の全9教科で5点×9科=45点満点、中3では、英数国理社5教科が5点×5科×2=50点満点、音体技美4教科が5点×4科×4=80点満点の計220点満点である。音体技美4教科については、「学力検査」の対象とならないため、中3での評価が加重されている。
 ここで注意を要するのは、合否判定に当たっては、「学力検査」と「調査書」の合計点で順位付けがなされるのではなく「学力検査」と「調査書」のそれぞれについて順位付けされた上で、相関表による判定によって上位から順に合否が決定されることである。合計点ではなく、それぞれの順位で評価されるため、「調査書」の点数の不足分を「学力検査」の点数で挽回するということが難しくなっている。。すなわち、「学力検査」と「調査書」が、同等の比重をもって評価されるのである。それだけ「調査書」が重視されていることの表れといえよう。その趣旨は、高校入試は、ほとんどの生徒が人生で初めて受ける大きな試練であり、その後の進路に大きな影響を与えることを考えれば、15の春を1回限りの「学力検査」だけでなく、3年間の努力の跡も同等に評価しようということであり、議論の余地はあるが、一応妥当なものといえよう。

 

  高校合格のためにやるべきこと
 いずれにせよ、中学生の君は、以上の入試制度を前提に、準備していくしかない。特に、「調査書」では、中1の成績から評価されることになるから、中1の段階から将来の高校受験を意識しながら真面目に勉強していく必要がある。既に中1から高校入試が始まっているのである。しかし、別に恐れることはない。受験倍率は、わずか1.2倍程度である。君が将来受けることになるであろう大学入試の厳しさに比べれば何ということはない。毎日の学校の授業を集中して聴くとともに、復習をきちんとやっていけば大丈夫である。特に毎学期の中間テストと期末テストの成績が「調査書」の評価に直結するから、これらのテスト前は特に復習を徹底しよう。出題範囲は決まっているから、暗記すればするほど得点できる。
 あと、香川県の中学校では、「学習の診断」という実力テストが全県一斉に実施される。中1と中2で各1回(2月)、中3で7回(6月、9月、10月、11月、1月×2回、2月)行われるが、それまでの学習範囲のすべてにわたって出題されるため、文字通り、その時点における君の実力を測る模擬テストである。中3生に対する進路指導においては、この「学習の診断」テストの結果が重視されており、受験校選定の際の一つの判断基準になっているが、君としてはその結果に振り回されることなく、あくまで自分の弱点箇所を把握するためにこのテストを利用することが大切だ。繰り返すが、受験倍率は、わずか1.2倍程度である。高校合格のためには、あくまで毎日の学校の授業を集中して聴き、復習をきちんとやっていくこと尽きる。

 

 iCS石川東大塾では、東大法学部卒の塾長と元香川県立高校数学教諭の講師が、模範解答を覚えさせるのではなく、学校の授業で習った基本的知識を基に自分の頭を使って解答を作り出すよう指導することで個々の生徒の持っている能力を最大限に引き出し、公立高校合格へと導きます。