三観地区の後輩たちへのアドバイス

  東京理科大学理工学部数学科3年

 R . K(2017観音寺一高卒)   

1大学生活2年半を過ごしてみて

   私は現在、学部での勉強(専門は数学)とともに大学院進学に向けて勉強している最中です。学部での生活も半分が終わり、将来の自分の方向性も定まってきました。現在の勉強、就活(院に進むので就職のための就活ではなく、自分の方向性を探るための活動)をしていて気づいたことと、今後の展望について書きたいと思います。学部学科にもよりますが、高校から大学に変わると専門に進み、勉強も変わると思っていました。高校の先生からも大学の数学はレベルが2つ上がったところから始まるので苦しいことが多いと聞いていました。しかし、困ることはあまりなかったと感じています。それは高校時代に石川東大塾で、「自分で考える」ことが習慣化でき、同時に「考える持久力」も養うことができたからだと考えています。これはどの学部でもそうだと思いますが、大学では、基本的に思考することを求められます。例えば大学の数学の本には解答が付いていないことが普通で、付いていたとしても略解のみであったり、解答が示されていても間違っているということもよくあります。そのような場合、高校の時にありがちな、解答を暗記したり解答を待っているような勉強法ではなにも対応できなくなってしまいます。幸いなことに私は高校時代に石川東大塾に入塾し、自ら考えることを習慣化できたおかげで大学でも有意義な学びが行えていると感じています。また就活でも、論理的に思考できる人が求められていることを感じます。新しい入試に対して文科省も「思考力、判断力、表現力」を測ると発表しているように、主体的に思考し、自分で判断し、判断したことを他者にも伝わるように表現する力を身に付けることが大切になっています。中高生だからこそ、思考力、考えるクセをつけるために、どのようなことが必要か意図的に考えることをお勧めします。

  私は数学が大好きなので、ずっと数学を扱っていける仕事がしたいと考えています。それをふまえて自分の適性や好みがどのような方向なのかを見極めたいと思い、海外留学をしたり企業に行ったりして、自分の将来について考える時間を多く持てるように過ごしています。そのような経験を通して数学の中の分野を絞り込んだり他の学問のことも考えてみて、進みたい方向性の大枠が見えてきたので、まずはそこに向かってとりあえず学部の1年半を生産性のある時間にします。

 

   2   アドバイス

 あくまで私個人の考えなので参考程度に。

1)学部学科は興味・関心があるところを選択

     学部学科選びは自分の興味・関心のある、好きなことで選んだほうがいいと思います。もちろん就職まで見据えて選ぶことも大切ですが、学部卒で就職するなら文理関係なくほとんどの人が文系就職になります(理系の専門性を発揮した就職は、大学院修了が必要な状況で、学部卒で就職する場合は、ほとんどの業界・企業は学部学科など専攻そのものはあまり重視していないように感じます)。興味のない学科に行くと、「勉強が楽しくない大学に行かない単位落とす留年」というルートになりかねません。大学での学びを有意義なものにするには、もっと学びたいと思う学問を選ぶことが、いいと私は思います。私は数学が好きなので数学を学びに行きました。実際、勉強が苦しいとは全く思わないし、友達と議論したり、食事中や寝る前まで考えていることもよくありますし楽しい毎日です。大学に授業受けに行くのも楽しみですよ。「明日の2限は解析学やな、楽しみ。」って感じになっています(私は本当に

   そんな感じ)。数学嫌いな数学科の友達や、物理より機械工学のほうに興味のあった物理科の友達は辛そうです。ただ親や先生は経験者なので、その助言を聞くことはすごく意味のあることだと思います。その助言を一つの選択肢、多様な考え方のひとつとして捉え、自分の答えを持つことが大切かなと思います。

 

2)受験勉強はより早期に開始

  受験勉強は早めに取り掛かることをお勧めします。三観地区はいいところで私も好きですが、受験勉強に関してはスピード感がなさすぎると思います。「中高一貫で高2までに全範囲を終え、部活は部活をやるために入ってきた人たちだけがやり(一般の生徒とスポーツ組は別)、ずっと学校か塾で勉強。」という人たちと勝負をします。どれだけ質を高めても絶対量には負けます。

 

3)大学の選択と就活

  できるだけ高いランクの大学に入っておくことをお勧めします。大学のランクによっては就活で総合的に(フィルター、OB、情報量)不利になる可能性が否定できないと思います(個人的には)。これは大学に入ってから努力しても越えられない壁になる可能性があります。