大手予備校にいけば合格できると思っている勘違いな浪人生

  高校受験時の勘違いの成功体験(実態は三観地域のクラス分けテスト程度の入試にもかかわらず、自分は地域一番の進学校に合格したエリートだと錯覚している)を抱いたままクラブ活動に楽しく高校生活を送ったあげく、本人の淡い期待とは裏腹に(客観的には予想通りに)大学受験に失敗した生徒が、決まって言う言葉―「K1高の補習科はレベルが低いので、東大や医学部に大人数合格している大手予備校に通って、頑張ります。」

  まあ、大手予備校にとって、こういう生徒が典型的な(授業料の)「運び屋さん」になるのである。大手予備校は、授業料や寮費の免除の特典をエサに東大や医学部を受験予定の高偏差値浪人生を囲い込んで、東大合格○○人・国公立大医学部合格○○人と華々しい合格実績を喧伝しているが、K1高のような田舎者の生徒は、補習科や宅浪では高校の下級生や近所の口さがない婆さん達に「あの子は浪人しているんだ」と陰口をたたかれるのが怖いからか、まんまとこのようなエセ実績の宣伝に引っかかって申し込むのである。周りの陰口に耐え抜いてこそ、何としても来年こそは合格しなければという気持ちになるのであって、それが嫌だからと逃げているような浪人生では、どうせ1か月もたてばスマホ遊びに浸るだけの毎日に逆戻りして、1年後の不合格は目に見えているのである。そうとは知らない親は、あれだけの合格実績がある予備校に通わせるのだから我が子も来年こそは合格してくれるだろうと、大枚はたいて送り込む(授業料と寮費併せて200万円以上)。このような親子を、この業界では、「運び屋さん」と呼ぶのである。大手予備校にとって、エセ合格実績に関係ない多くの生徒は、授業料を運んでくれさえすればよい、ただのお客さんなのである。

 浪人生諸君。君が不合格だったのは、君の学力が客観的に不足しているからであって、補習科のレベルが低いなどと言う前に、自分のレベルが低いことをまず認識しなければならない。必死になって自分で自分のレベルを引き上げようとしない限り、大手予備校に通おうが、補習科に通おうが、宅浪しようが、合格には関係ない。周囲の陰口に耐えながらコツコツと実力をつける覚悟なくして来春の合格はありえない。それが嫌なら、K1高卒のブランドを生かしてそのまま就職した方が(もちろん親のコネが必要だが、情けないことに、当地の親は皆なんとかしてくれる)、当地ではよほど安楽な人生が送れることは間違いないということをこの際よく考えてみよう。

 といったところで、所詮、高卒で就職する勇気もなく、口だけ元気な近所の婆さん達の陰口に耐える勇気もなく、結局、大手予備校の運び屋さん(money carrier)として無駄な1年を送るのだろう。何とも情けないことだ。

 運び屋の 布施でウハウハ おいしいな

2016.3.10