文科省と英語産業の悪巧みを勝ち抜くには

1 三方一万両得の悪巧み

 昨今、大学入試改革が声高に叫ばれ、特に英語について、センター試験に代えて英検、GTEC等の民間事業者が実施する試験の結果を大学入試判定に導入することが言われているが、筆者は、この流れは、文科省の役人が天下り先確保のために民間試験事業者(及びそれにつながった政治家たち)と結託して行う悪巧みと見ている。

 文科省の役人たちが天下り先を探す中で、英検、TOEFL、TOEIC等の英語産業が繁栄していることに目を付け、これらの英語産業に大学入試の仕事の一部を回すことで自分たちの再就職先にしようとし、一方英語産業側としては、従来からの民間試験だけでなく、従来のセンター試験に代わるものとして毎年数十万人が自分達の試験を受けてくれることで莫大な利益が得られることになる。また、この両者の間には、金に目ざとい政治家たちが群がるという、いわば「三方一万両得」の実に「美味しい」制度が導入されようとしているのである(試験料は試験業者によって5000円~25000円位まで幅があるようだが、ざっと平均1万円(≒英検S-CBT準1/GTEC-CBT)とすると、1万円×50万人×2回=100億円。これに多くの下級生も練習のために受験するであろうから、全体でざっと100数十億円の利権である。しかもこれが毎年毎年である。こんな美味しいものはない)。民間試験事業者の中には、B社のように高校側とも結託して試験対策問題集の販売や模擬試験の開催によっても利益を得ようという利益相反の双方代理のようなことさえ平気でやろうとしているものもある。試験機関が自分の試験の受験対策で金儲けをしようとしているのに、文科省も見て見ぬふりをしている。さぞや大勢の天下りを受け入れてもらうのだろう。結局、受験生の親たちが彼ら天下りを養うことになるのである。実に酷いものである。

 最近の報道によれば、一部の大学人たちからの反対はあるようだが、どうせこのまま実施されるのであろう。なぜなら、文科省の役人にしても、政治家にしても、あるいはマスコミにしても、彼らの子弟や孫たちは、AOだの推薦だのといった裏口入学で大学に入るのだから、一般入試のやり方などどうでもいいのである。センター試験があろうがなかろうが、どうでもいいのである。(※萩生田文科大臣が10月24日にテレビ番組の中で「(受験生は)自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と発言したようだが、これこそ彼らの本音なのだろう。要するに、「下級国民が民間試験を受けられようが受けられまいが、それを受ける必要のない我々上級国民の子や孫には関係ない。下々が何を騒いでいるのだ、身の程をわきまえろ。」という気持ちなのだろう。)

 しかし、心ある大学人たちは忸怩たる思いなのであろう。実際に東大や京大等の国立大学では、国から運営交付金を貰っている手前、英語の民間試験導入に全く反対とはできないものの、文科省対策として形だけ民間試験を取り入れたことにして評価において実質的に無視することで骨抜きを図ろうとしている。

2 悪巧みをどう勝ち抜くか

 大学入試における英語の民間試験の取り扱いについてはまだ予断を許さないが、生徒たちの中には不安になって英検やGTECの対策本に走っている者も多いし、高校の教師たち自体が盛んと不安をあおっている。

 しかし、筆者としては、今回の英語の民間試験導入は、所詮は国公立大でいえば1次試験レベル、私立大でいえば中堅以下のレベルの話であって、国立大学の2次試験や難関私立大の一般入試においては、従来通り、英文読解能力が重視されることに変わりはないと考えている。いやむしろ、民間事業者の試験内容では大学における海外学術文献の研究に役立たない分、自らが行う入試での英文読解能力を従来以上に重視することとなるだろう。

 そこで当塾では文科省と英語産業と政治家たちによる悪巧みの流れに敢えて逆らい、国立大学の2次試験や難関私立大の一般入試に対応できるよう英文読解能力を高めるため、Skypeを使ってインターネットによる英語(英文法、英文解釈)の授業を行うこととした。全国どこからでも1対1の完全個別指導が受けられるし、授業時間も柔軟に対応できる。国立大学の2次試験や難関私立大の一般入試を目指して受験勉強を始めようという生徒諸君の受講を期待している。詳しくは→こちら

2019.10.20  

10.28 ※部分を加筆

11.1  英語の民間試験導入は2024年度まで延期になった。まあ、当然だろう。英語産業に天下り先ができると喜んでいた文科省のあほ役人の顔が見たいものだ。仕方なく、今度は今まで以上にFラン大学を増設して天下りしていくのだろうが、そういうあほ大学に行きたい人は行けばいい。過去問丸暗記のエセ塾がますます繁栄するのは、困ったものだが。